うちのこ

2015年4月からワーキングマザーとして働くハハがお仕事や子育てやそれ以外をつづります

小1の壁。我が家の「学校に行きたくない!」への寄り添い

10月の初旬から小1ムスメの登校しぶりがはじまり、付き添い登校を始めて4か月になろうとしている。

 

はじまり

学校がいやだ、という最初の訴えは6月の中旬。コロナによる休校が明けてすぐだ。

算数の数についていけないようだったけど、指をつかったらできていたし、私もそこまで心配していなかった。

 

 

悪化したのは10月の初旬

それまでも1か月に1回ぐらい熱もないのに休みたいということはあり、学校からも「コロナの中で子供たちは疲れ切っています、おうちでもゆっくり休むようにしてくださいね」という話もあってそういうときは休ませていた。1日休むと、次の日からはまた元気にひとりで行けていたけど、このころから「がっこういきたくないなぁ。いやだなぁ」と前日の夜からはぁとため息をつき、翌日の朝には目に涙をためていきたくないというようになった。

 

様子がおかしい。

 

算数の宿題が終わらず、泣きながら1時間半ぐらいかかってやっと終わる。やっぱりへんだな、おかしいなと思ってどうしたの、と聞くと何回目かに堰を切ったようにうわーっと泣き出した。

 

授業がわからないの。お友達の中でわからないのはムスメちゃんだけなんだよ。神様にどうかこたえがわかりますようにって校庭をみながら一生懸命おいのりするんだけど、全然わかんないんだよー。だからお友達の答えみちゃうんだよ。そういって泣きながら訴えてきて、かわいいなと思いつつも、わからなくなって教室でひとり途方にくれているムスメの姿が想像できて胸が苦しくなってしまった。

 

授業のノートを見ると丸がついているなと思っていたけど、そういうことだったか…。

そこから「学校いきたくない」になるまであっという間だった。

 

つきそい登校

私はコロナで在宅勤務だったので、毎朝つきそい登校をするようになった。

最初は校門まで。そこから靴箱まで。担任の先生が迎えにくるまでずっと泣いていて、離れるときも大泣きしていた。友達が心配して一緒にいこうよ、と声をかけてくれたけどそういうのも受け入れられないくらい混乱し、ママがいいと泣き叫んでいた。先行っていいよ、といって友達には先に教室にいってもらった。

 

ある時、教室まで流れで一緒にいったらもうそれがデフォルトになり、勤務開始ぎりぎりの1時間目終わりまでいるようになった。

 保育園児の弟の送りは、ばぁばにお願いした(夫は会社が忙しいためこの部分のフォローは分担できなかった)。4歳の弟は、最初の方こそ楽しげにばぁばと行っていたけど、1か月ぐらいしたときに「ママがいい」と譲らず、困り果てたばぁばと一緒に学校の校門まできて、それでも納得しなくて家で私がかえってくるのを待っていたときもあった。

でも彼が感情を爆発させたのはその1回だけ。そのあとはお姉ちゃんがたいへんなのだ、ということを彼なりに感じたのか、またばぁばと行ってくれるようになった。

時には「おねえちゃんがんばってるもんねぇ」と姉に語りかけていて、4歳児ながらすごいなと思ってしまった。

原因はなんだろう

担任の先生に相談した時「算数でつまづいているみたいなんですよね」といったところ、「運動会の練習が始まってピリピリしているのもあるかもですね」という話になった。本人の口からはそれまで全然でてこなかったけれど、運動会の練習が始まって先生もピリピリして怒号が飛び交っているとのこと…。

 

あぁ、となった。

 

思い返せば、かなりまわりを見る子である。保育園の面談の時も「お友達が怒られているときに自分も怒られているような気持ちになってしまうみたいで」「やさしいということなんですけど、ちょっとそういう意味では心配かもですね」と言われていた。

学童でも「ちょっと我慢しちゃうところがあるんですよね、お友達にゆずってしまうというか」と言われていた。

ものすごくまじめで優しい子なんだけど、今の時代にはちょっとぐらい神経が太くていろいろ流せる子の方が生きやすいのかもしれないなぁ。

 

教室での過ごし方

最近では私も慣れてきたけれど、最初のころはかなり親子して気負っていてぎゅっと手を握って教室まで連れていくようにしていた、と思う。

とにかく休みグセをつけてはいけないという気持ちが強かった。

 

本人がつらいというならば休ませた方がいいのだろうかとも思ったけれど、学校という場所で得られるたくさんの友達や先生との出会いやそれによる刺激、学びの機会を私が奪っていいのかという葛藤の方が強かった。

 

それに、「がっこういやだなぁ~」といいつつも、前日の夜には翌日の教科書や持ち物をランドセルにそろえて用意し、着ていく洋服も選んでおいておくムスメの行動を見ていると、まだ休ませるという判断には早すぎると思ったのだった。

 

ずっと手をつなぎながら歩き、他愛もない話をして学校まで向かう。

教室につくと、ムスメはしばらく私のそばを離れずにぎゅっとしがみついている。

私は顔見知りになったお友達とおはよう~とあいさつしつつ、ちゃんといるからお仕度しておいで、という。ムスメはいやだーといいながらもまわりをみていて、そろそろタイミングだと思うと「ママずっといてね」と言い残してランドセルなどを置きにいく。

 

基本的には教室の後ろにいて、ムスメが不安になってしまったときに私のそばにきて、ぎゅっとしたりして充電後、また自分の席に帰って授業を受ける、というスタイルだ。

そうして1時間目が終わったら、仕事に向かうために担任の先生に受け渡して、去る。

ムスメはもちろん大泣きするけど、心を鬼にして去る。

まるで保育園の預かり保育初日みたいな気持ちだった。

 

光が見え始めた12月

このままずっと1時間目までいるのか…と思った12月中旬、担任の先生から「だいぶ落ち着いてきたので、少しずつ離れるようにしてみてはどうか」という提案をもらい、それまで毎日1時間目終了までいたのを朝の会の終了までで帰る日をつくり、それをどんどん増やしていって2学期の終業式の日が校庭での先生引き渡し、というのを試してみた。3学期になったら先生に下駄箱まで迎えにきてもらって、そこで今はさよならできている。

 

最初は大泣きし抵抗していたムスメだったけど、離れる時に特定の儀式(ぎゅっと抱っこして、保護者カードを渡して、タッチしてバイバイ)を経ればさよならできるようになっていた。

先生たちとの連携

 基本的には、担任の先生は最初の相談先。ただしクラス全体を見る立場だし、やることがたくさんあって、ひとりの子に対して特別なケアは望めないな…というのが最初の所感だった。先生ご自身も「●●ちゃんだけを特別扱いはできない」とおっしゃっていた。でもそんなことをいいつつ、電話でいろいろ相談してくれたり、下駄箱まで迎えに来てくださっているんだから感謝である。いい意味で適当な先生なので、そういう点ではよかった。これで居残り!宿題がっつり!という先生だったらきつかったかもしれない。

だけど1回「小学校にひとりで来られないなんて恥ずかしいよ」というプレッシャー作戦を提案してくださった時は違和感があって、連絡帳で私の気持ちをお伝えした。

 

困ったな…!と思ったのは事実だったけど、恥ずかしいなんて思ったことは1回もないしプレッシャーをかけることで学校にひとりで行けないことは恥ずかしいことなんだ、こういうことはまわりの大人に言っちゃいけないことなんだって思って相談しなくなるようになる方が心配なので、別の言い方を考えたいです!みたいなことを書いた記憶がある。

 

大人だって自分がしんどい時に「しんどい」って言って「いい大人なんだから甘えるなよ!」なんて言われたらつらいじゃないですか…。

 

うちの小学校にはスクールカウンセラーの先生が週に何回から来ていて、特別な配慮や今後の対応について相談するならカウンセラーの先生に相談した方がよいなと感じた。的確なアドバイスをしていただける印象。

資料でスクールカウンセラーの先生がいるのは知っていたけれど、授業のときに巡回して廊下からそっとクラスをのぞいてフォローが必要な子がいるかを見てくださっていたのでそのタイミングで声をかけることができて、ありがたかった。

 

この2つの立場に加えて、学校の授業についていけない子どもに向けて個別フォローをしてくれる専門の先生がいるのだけど、そこの授業に参加するためには申請が必要で、ムスメはその申請は通らなかった。いわく、ほかにもっと支援が必要な子どもがいるのではないかということ。

 

たしかにムスメと同じくらい算数ができない子なんていっぱいいそうに見える。

だけど、そのできない具合と学校にひとりで行けないというところが結びついているところが課題で、そこを解きほぐしていくにはまず学校の力を借りることが大事と思っていたから、申請が通らなかった時はわりとショックだった。

しかし、いろんな立場の先生にムスメのことを口に出して相談できたことは無駄ではなかったなと今では思う。自分ひとりで抱えていたら私の方が先にしんどくなっていたかもしれない。

 

甘えが足りないんじゃないですか

もうひとつショックだったのは、「おうちでの甘えが足りないんじゃないですか」と言われてしまったこと。家では弟がいるから甘えたくても甘えられない…と担任の先生にぽろっといったらしく、「ムスメちゃんと2人の時間を増やしてあげて、おうちでも甘えていいんだよって言ってあげください」と先生に言われた日は衝撃的だった。

 

わりと甘えさせてあげてるつもりだったんだけどな…というこちら側の気持ちが最初は大きかったのだけど、よくよく考えてみるとムスメとしては我慢しなきゃ、と思っていたのかもしれないしそれならもうちょっと意識して抱っことかしてあげた方がいいな、という結論に達した。夫はプリプリ怒っていたけど、でもきっとムスメからしたら、「甘えたくても甘えられない」のが真実なんだろう。だったらわたしたちはそこに寄り添うべきだ。ひとりひとり満たされる愛情容量って違うんだから。私たち親は「だいじょうぶ、だいじょうぶ」って言いながら寄り添って必要なときにはぎゅっと抱っこして、彼女がほんとうに大丈夫になったときに背中を押せるような存在でいたい。

 

よかったこともある

個人的にはクラスの子どもたちと顔見知りになれたことは大きかった。

話しかけてくれる子どもたちもいたし、毎日授業参観しているようなものなのでムスメとの共通話題もできる。なんだかみんなのことがかわいくてしかたがなかった。

私がいることに最初は「なんで●●ちゃんはひとりでこられないの?」と聞いてくる子もいたけど、「なんでだろうねぇ。でもムスメちゃんがひとりで来られるようにいっしょにきているんだー」と答えたら納得した様子だったし、それを「はずかしい」とかいう子はいなかった。おっとりしたクラスで本当によかった…。

算数問題はどうなったのか

時間とアイテム課金で解決方向にもっていった。

先生が余分に出してくれたプリントもあったし塾も検討したけれど、12月に投入したスマイルゼミは大きかった。

 

毎日その子に合わせてカスタマイズされた学習内容がタブレットの中に用意され、その日の「ミッション」をクリアするとご褒美に決められた時間だけアプリで遊べる。

視覚的でゲーミフィケーションぽい要素もあり、できるとものすごいほめてくれる。多少親のフォローは必要だけど、うちの子には合っていたようで毎日(平日宿題が出ると厳しいけど…)コツコツ続けられている。知っている他人と比べられることがないというのもよかったのかもしれない。 

smile-zemi.jp

 

そして三学期

三学期が始まって1か月が過ぎ、今日。どうしても事情があって、初めて夫に送っていってもらった。

前の日に2人でお散歩して、歩いているときに本人に伝えたら泣いて「できない~」と地面に座り込んでしまったけど、「だいじょうぶだよ、次の日はまたママが送っていくよ」と伝えたら「だっこ」といってしばらくぎゅーっとしたあとで納得したように離れていった。その姿をみて大丈夫だろうな、と思ったけど、やっぱり大丈夫だった。

 

今日、夫からの「校門でさよならできたよ」というLINEを見て、あぁムスメはがんばったんだなとほっとした。これから2年生になるけど、あせらず追い詰めず、ムスメのペースでそばに寄り添っていきたい。