先日、0歳のムスコと3歳のムスメと3人で公園に遊びにいったら、途中で小学生の男子たちが数人きて、追いかけっこを始めた。
ぐるぐると走り、すべり台を降りたり登ったり。ムスメとムスコは男子たちにくぎ付け。ムスメは、気にしつつもひとりでまた遊び始めた。ムスコはつたい歩きをしながら、少しでもお兄ちゃんたちに近づこうとしていた。
けっこう激しいな〜、大丈夫かな〜と思って見ていると、ふとひとりの男の子がムスコに「どうしたの〜?」と笑顔でムスコの目線までしゃかんで、話しかけていた。
「お兄ちゃんのことが気になるみたいだよ」
というと「そっかぁ」とまんざらでもなさそうに笑って、また仲間との追いかけっこに戻っていった。
ムスコはまだまだ興味がつきないようで、一生懸命つたい歩きをして追っかけて、そしてしりもちをついてしまった。
ウェーンと泣く声に、ありゃまぁ…と助けに向かうと、さっきの男の子がヨシヨシ、と一足先に抱っこしてくれていた。
ありがとう。抱っこうまいねぇ。おとうとか、いもうとがいるの?と聞くと、
ううん。いない。
とはにかみながら答えて「ほら、おかあさん来たよ」と私に渡してくれた。
もしも私が同級生ならきっと君のことが好きになってしまうかも、と思わされるくらい、やさしい手つきだった。
私は自分に子どもができるまで、赤ちゃんを抱っこしたことがなかった。そもそもそういう存在が私の人生のまわりになかった。関心もなかった。
でも、小学生や中学生、高校生の頃にこういう小さい存在がいて、抱っこしたり遊んだりする機会があったなら。
自分以外の小さいひとに思いを馳せられる瞬間が、きっとふえるんじゃないかなとふと思った。そんな出来事だった。