うちのこ

2015年4月からワーキングマザーとして働くハハがお仕事や子育てやそれ以外をつづります

「しつけ」と「信じて待つ」

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保育園での2歳児クラスは、いわゆる「しつけ」っぽいことが始まる1年だった。幸い、通っていた保育園はノンビリしていて、一斉にトイトレが始まることもなかったし、家で何かを練習してこいと言われることもなかった。
 

だけど、他人から言われたひと言を、つい気にしてしまうことが増えた。

 

スプーンとフォークの持ち方

1歳9ヶ月ごろ。義妹から、スプーンとフォークの持ち方がおかしいから直しなよ、と言われた。このぐらいの時、もう●●は持ててたよ。ちゃんと持たせないと。
 
 大人が持っているような形で子どもがスプーンを持てるようになるには、上から握る→下から握る→えんぴつ持ちの3段階をふむ必要がある。(参考https://www.city.chiba.jp/kodomomirai/kodomomirai/unei/documents/c-kids-1-01_2.pdf)
 
その頃ムスメは、スプーンの持ち手の端をつまむようにして握っていた。上握りの進化系だったのだろう。保育園でもえんぴつ持ちを練習しているようだった。
 
義妹に言われてから直さないといけないような気持ちになって、食事のたびに指摘した。でも直らない。何回も言うと余計意地になって直さない。こっちもイライラしたし、ムスメもスプーンをぶん投げたりして険悪になった。
 
 保育園の先生に相談したら「今はまだできなくてふつうですよ。食事してる間ずっと言われるのも楽しくないから、最初に1回だけ言って、あとは見守りましょう。持ち方が違うっていうのはそれで伝わります。園でもサポートしていきますから」と言ってくれた。そうだよな。怒られながら食べるごはんほどマズいものはない。それからは最初に一回だけ言って、あとは言うのをやめた。

 

ごめんなさいとありがとうが言えない

これは1歳11ヶ月の頃だったか。義妹一家と一緒にスーパー銭湯に行った時のことだった。私は友達と会う用事があって、行かなかった。
 
帰宅後、夫がぐったりしていた。
どうも当時3歳の従兄弟とケンカしたらしく、その時に「ごめんなさいは?」と言われてむすーっとしていたらしい。オモチャの貸し借りもできなくて大泣きしたそうだ。一緒に行った夫から聞いた。「ちゃんとしつけなきゃダメだよ」と言われたらしく、夫もしんどそうだった。
 
やれ!と言われるからやるんじゃなくて、やりたいという気持ちから行動してほしいし、2歳にもなってないんだからまだできなくて当たり前、ぐらいに思ってたけど甘いのかな?と揺れた。
 
これまた保育園の先生に相談した。夫でも親でもない、先生だからこそもらえる客観的な意見を聞きたかった。だって普段のムスメの様子を、私よりも良く知っている。他の園児たちのことも。
 

「3月生まれのムスメちゃんは、一生懸命がんばってると思いますよ!!
まだ2歳児で(しかもまだこれから…ですよね)そんな上手にコミュニケーション取るのは無理だと思います。できなくて普通です!
従姉妹ちゃんは3歳児で色々おしゃべりも上達して、言葉での表現もできるようになっているのかもしれませんが…。通ってきた道だと思うのですけどね」


連絡帳にかかれたコメントを見て涙が出そうになった。そのままでだいじょうぶですよ、とムスメと私を受容してもらった気がして、心底ほっとした。
 
それからは、その時言えなくても「こういうときは、ごめんなさいっていうんだよ」とか、「ありがとうって言われると嬉しいんだよ」とか伝えるようにした。ムスメが言えないときは、代わりに私が言った。おもちゃの貸し借りは出来ないことも多かったけど、今はしょうがないか、と思えるようになった。

 

果てしなく遠いトイレトレーニング

2歳児クラスの夏ぐらいから、他の園児たちはトイレトレーニングを開始しているようだった。

オムツではなく、トイレで用を足せるようにするのが目的。これも段階があって、まずオシッコをある程度膀胱にためられるようになるのが第一段階。(2時間おきぐらいにオムツを点検して、ぬれてなければトイレに誘う)わが子の間隔がつかめたら、起床時やごはんの後、出かける前など節目でトイレに誘って成功体験を増やしていく。そのうち、出る!という感覚やいきたい!という感覚が芽生えて、トイレに自分で行けるようになる、らしいのだ。
 
が。
 
3月生まれだしな、と余裕をぶっこいていたらアレヨアレヨと6月に弟が生まれ、ムスメも赤ちゃん返りになってしまいトイトレどころじゃなくなり、気づけば秋冬になっていた。今、してるな…というのはだいたいわかるので(カーテンの影に隠れたり、突然しゃがんで動かなくなったりする)トイレに誘うものの「ヤダ、イカナイ」の一点張り。さすがに焦ってきた。何かしなくてはいけないことを私が忘れていたせいで、オムツ外れるのが遅いのか。しまった。ちなみに補助便座すら悩みすぎて買ってない。やる気になれば、と思って買ったアンパンマンのシールはじょきじょきとハサミで切られてしまった。

園でも様子みて、いけそうだったらパンツのご用意をお願いするので!と言われたものの、いっこうにお声がかからない。先生にどうなんでしょう、と相談すると「まだ、教えてくれないんですよ…」とのこと。自宅では事後に教えてくれるのだけど、園ではそれすらないのだそうだ。
 

また言われた。「3月生まれですしねー、あせらなくても」水戸黄門の印籠か。いや、ありがたいんだけど。
 
正直、2人育児に慣れるのとムスメの壮絶な赤ちゃん返りにいっぱいいっぱいになっていたので、印籠をありがたく頂戴し、トイレトレーニングをやめました。

 

信じて待つということ

結局、私は「きちんとしつけもできないダメな母親」と思われるのがイヤだっただけだった。ムスメのためではなく、自分のメンツのために身体や心が育たないと物理的にできないことを要求していたのだ。そりゃお互いにストレスたまるよなぁ。

 

ムスメの「今」。ただそれだけを見て、やったね、よかったね、楽しいねとしているだけでよかったのだ。ほんとごめん。

 

スプーンは2歳半ぐらいから「ばっきゅーんで持ってみたら?」(えんぴつ持ちのやり方で、指を鉄砲のような形にして持つ)と声をかけるとたまに見せてくれるようになった。ほめると嬉しいようで「こう?こう?」と聞いてきた。できたらめっちゃほめるのを繰り返したところ、2歳9か月になってほぼほぼ持てるようになった。
 
ごめんなさいとありがとうは、気づいたら言えることが増えてきた。3歳になり驚くほどおしゃべりが上手になってきたせいもあると思う。が、本人が納得していないと言えないのは変わらず…(私もそうだった)。ちょっと落ち着いた後で何がいやだったの?と聞くと「ママがおこったからいやだったの」とか言ってくれるようになったので、それはよかったと思う。
 
オムツはいまだに取れていない。補助便座を買うかどうか悩んでいる間に、ムスメはヨイショとひとりで便座に登れるようになってしまった。

結局、保育園からパンツ持ってきてくださいねーと言われないまま卒園し、4月からの新しい保育園ではオムツで過ごしている。ただ、まわりの友だちに刺激されたのか、以前より「トイレいく!」と自発的にいく回数が増えた。朝イチに誘っても行かないのは変わらないけれど…。悲しいのは、オムツにウンチをした時にノートに「今日もウンチ失敗してしまいました」と書かれたことだ。失敗、じゃないと思うんだけどなぁ。

 

トイレに関しては正直いまだ焦ってしまう。でも、信じて待つ、と唱えてその時を待っている。