9月。進級テストに合格して初めてのプール。水慣れの要素が強かったクラスからレベルアップ。コーチも若い女性から年配のベテランぽい男性に代わり、バタ足やクロールの手の動きなどの技術の練習が始まりました。
仕事が終わってラスト10分見学していると、バタ足に気を取られて顔をあげてしまい足から沈みそうなムスメの頭を、先生がぐっと上から押している様子が見えました。そうだよね、頭あげたら沈んでしまうし。
そしてその日の帰り道。
「もう、プールやめたい」
えーーーー?!!
3ヶ月目できた「プールやめたい」
まだ始めて3ヶ月。やっとゴーグル使ってもいいクラスに進級したばっかりなのにもう辞めるの早くない?っていうか自分からやりたいって言ったじゃん…
とアレコレ意見が走馬灯のように駆け巡り、とりあえず伝えたのが「1回で決めちゃうの早いから、また次も行ってみよ?」でした。
「だって、せんせいこわいんだもん…」
通っている保育園は女性の先生ばかりで、男性の先生は初めて。怖かったのかもしれない。そりゃそうだ。でもここまで頑張ったのにもったいないからがんばろ。そう伝えました。
翌週、本人は不服そうで「プールやだな〜…」と言ってましたが、なんとかかんとかなだめて行かせ、この日も滑り込みでラスト10分見学。
バタ足はあんまり進めておらず苦戦していましたが、最後に先生とハイタッチしてバイバイしてる姿にホッとしました。
「今日はあんまり怖くなかった!」なんだ。やっぱり大丈夫じゃん!
そして自主休講
その 翌週。
プールへの送迎を頼んでいるおばあちゃんからLINEが来ました。
「ムスメちゃん水着に着替えましたが、プールやめたいと言って泣き出しました。
さっさとお着替えしてしまいました。ので
今日は見学します」
えーーー!!
そんな。泣くほど嫌だったんだ…。
ママ友に聞いてみる
保育園で同じプールに通わせているママさんとちょうど別件でLINEをしていたので、ちょっと相談してみることに。
「泳ぎは難しいし、しかも男のコーチでムスメちゃん辛いんですね」との言葉にハッと気づかされました。
私はそれまで、「なんで?!」「諦めるの早くない?」というどっちかというと責める気持ちの方が強かったのですが、そうか、つらかったのか…と落ち着いてムスメの気持ちにフォーカスすることが出来ました。気づかせてくれたママ友に感謝。
ちゃんと話をきいてみる
正直、こうなるまでちゃんとムスメの気持ちに向き合っていなかったな、と反省。
とにかく、休んでしまったことを責めるのはやめようと決めて、お風呂に入りながら話を聞くことにしました。
今日、プール休んじゃったんだって?
…うん。
そっかー…そんなに嫌だったんだね。
プールあんなに楽しそうに行ってたのにどうして嫌になっちゃったのか、ママに教えてくれる?どうしたらいいか一緒に考えたいな。
…。
休んじゃったのは怒らないから。
…。
みるみる、目に涙がたまっていきます。
「…だって、こわいんだもん!!!
うまくおよげなくて、さんかいもしっぱいしちゃったし、せんせいが頭をおさえてきて、おはなにみずがはいっちゃって、くるしくって…」
「きょうもがんばろうと思っておきがえしたんだけど、こわくなっちゃって、ママもいないし…ぎゅってしてほしかったんだけど…それでかえってきちゃったの」
とわぁぁんと泣き出してしまいました。
整理すると、
- 急にレベルアップしてうまく泳げない
- 男の先生で怖い
の2つが絡まっているようでした。
もともと失敗するのが嫌だという思いが強い子なので、1つ目は時間をかけてゆっくり説得、親としては2つ目でなんとか代案を出せそう。
ママ、仕事してるし練習ずっと見てられないのはごめんね…という気持ちですが、こればっかりはしょうがない。
「そしたらさ、ママは先生と相談してみるよ。女の先生のクラスに振替できますかって」
うん!と頷いたムスメの声は、その後つかえが取れたのか、見違えるくらい明るくなっていました。
スクールに相談
モンスターペアレントって思われないかな、とか甘やかせすぎかな、というのもちょっとだけ脳裏をよぎりました。
男の先生がこわい!なんて、小学生になったらどうすんの、とか。
だけど、これは習いごと。
やりたい!と思って始めたプールを、親としては続けて欲しい。できないことができるようになる喜びを体験してほしい。
なによりも、自分の気持ちに正直に行動し、伝えられたムスメを尊重しようと決めました。
スクールの窓口で相談すると、事務のひとがメモを取りつつ聞いてくれ、後で講師の責任者から電話をしますと約束してくれました。
- 先生との相性があわず、こわいから辞めたいといっている
- 親としては続けさせたい
- 女の先生のクラスが決まってるなら、そこにふりかえたい
ということを伝えました。
ただ、毎月担当の先生は変わることが多いうえ、翌月のシフトが決まるのは月末ギリギリとのことで、なんだか申し訳ないな…という気持ちに。
ですがその日の夕方、講師の責任者の方からお電話をいただき、無事に女性の先生のクラスに振り替えることができたのでした。
「続けられるのが一番なので」とおっしゃっていただき、相談して良かったです。
そして女性の先生に
無事に女性の先生のクラスに振替えられたよ!とムスメに伝えると、ぱっと顔が明るくなりました。
「せんせいがこわかっただけだもん!プールいくよ!」
そして初回の日。
また直前で心細くなったときのために、ママの手紙をプールバッグに入れて送り出しました。
よくムスメから手紙をもらうのですが、私から書くのはこれが初めて。
その日は進級テスト。
「合格しようと思わなくていいよ、いくだけで100点」と伝えていましたが、フタを開けてみるとなんと合格!帰宅後、すごいすごいと大喜びでした。
誇らしげなムスメの顔。そして、
「だいじなおはなしがあるよ。あのね、ママおてがみありがと!!!」
とぎゅーっとしてくれたのは無茶苦茶うれしかったです。
これからもたくさん失敗しちゃうかもしれないけれど、練習したらできるようになる喜びを経験できますように。
親としては、彼女の気持ちと行動に対して、信頼に足る行動を取れたのが良かったかな。あのまま流してたらやばかった。
これがベストかはわからないけど、引き続き見守っていきたいと思います。