この本を手に取った理由は、子どもが失敗をすごーーく嫌がるようになったからです。
「失敗してもいいんだよ!とりあえずやってごらんよ。最初から上手くいくわけないからさ、何回も練習したらそのうちできるようになるよ!」
そう言いつつ、ふと、あれ、そういう自分だって失敗するめっちゃ嫌じゃん…?って気づいてしまったのでした。
失敗したくなくて頭の中でアレコレ考えすぎて、やる前に疲れてしまう。一回で思うような成果を出せず、ほうり投げたくなることもあるのは、私自身ですっ!!!
失敗してもオッケー!やりたいことはどんどんやってこー!っていうスタンスの親子に私はなりたいんだー!!
なぜ多くのミスが起こるのか
※ここからの引用は、本書からそのまま引用した箇所とともに、私なりにまとめている部分もあります
本では、ミスが起こる要因として5つの要因が挙げられていました。
中でも手強い、と思うのは、4番の心理的な側面。考え方を変えるのってすごくパワーがいる。
失敗を認められない心理のわけ
認知的不協和
→自分の信念と事実が矛盾している状態。それによって生じる不快感。
自分がおもっていたほど有能ではないと認めることが怖い。
自分が時間をかけたり、たいへんな努力をしてやったことが失敗だったりして自尊心が傷つけられる場合は特に事実や感じ方が捻じ曲げられる。自己正当化にはしり、自尊心が学びを妨げる。
ほんとこれ。
ただプライドが高いと言われればそのとおりなんですが…。
思い返せば高校生時代の部活で、上手くいかなかったデッサンを指摘されると怒りが湧いてきたりする部分、ありました。まるで自分の能力のなさを責められたように感じてしまったんだな。
失敗のパターン
- 集中しすぎて、時間の感覚を失う。認識力の限界。
- 有無を言わせぬ上下関係。萎縮していうべきことを言えない。
ずーっと同じ作業をやっていると、判断能力やスピードは鈍るのは当然。
あ、これ違うんじゃないかな…?と感じても、いや上の人が間違えることなんて!とか、言っても聞いてもらえないや、どうせ。と思ってその場で意見することを引っ込めてしまったことも多かったなぁ。
本では、その解決策としてこの2点が挙げられていました。
機長と副操縦士が協力しあってチェックリストの項目を点検する。コミュニケーションの活性化、チームワークを生み出す。(航空機事故の事例でした)
- 責任の分担をシステムに組み込む
- 上司に自分の意見を主張する技術を学ぶ。部下の主張に耳を傾け、明確な指示を出す技術も磨く。
失敗から学ぶには
2つの要素が不可欠。
ひとつめはシステム。
学習チャンスを最大限に活かすシステム作りがかかせない。学びが業界全体で共有され、リアルタイムで新しい情報にアクセスできるシステム。
必要な知識や情報が、使用に適したシンプルで効果的な形に置き換えられていることが重要。
ふたつめは、ミスを報告してくれるスタッフ。
非難と上下関係の文化を乗り越えるのは非常に困難。
ミスを見つけたら、いつでも報告するようにスタッフを奨励し、リーダー自らが謝罪文を公式に発表する。
報告したスタッフは明らかに自分が無謀なことをしたとき以外は非難されない。
仕組みづくりとひと。
自分がどんな意見を言っても無視されない、非難されない、バカにされないっていうのは心理的安全性から言っても理にかなってる。
それを確認できれば、だんだん人って言ってもいいかな?これも言いたい!あれも!ってなるはず。
データとフィードバック
(特定の業務に就く者は)常に自分の間違いがチェックされ、その結果が出る。だからいやでも毎回考え直し、改善し、適応していかなければならない。これは「集中的訓練」とも呼ばれる。
間違いを教えてくれるフィードバックがなければ、訓練や経験を何年積んでも何も向上しない。
個人的にめっちゃ共感したのはここ。
私自身、ミスした時や、行動が期待するものと違うものだった時に指摘されずに終わったことがあるけど、あれはツライ。自分がやってしまっていることを気づけないまま、どんどん年齢だけ重ねていくことに恐怖を感じる。ミスを非難されまくるのもツライけど。
スキルを高めるためには、データとフィードバックが必要。たくさん失敗すれば、そのぶんデータとフィードバックを得られる。
そう。だから失敗はダメなことじゃないんだ。
具体的には?
失敗を超高速で繰り返せ
目詰まりするノズルの複製を10個用意。
ひとつずつわずかな変更を加えてとんな違いが出るかテスト。
うちもっとも結果が良いもの(1.2パーセントの差)を元にまた少しずつ違う変更を加えた型を10個用意。
449回の失敗を経て本命のノズルに到達。
生物の進化と一緒。計画などない。まわりの世界に適応しながら世代を重ねて変異していく。
進化は自然淘汰によって、つまり「選択の繰り返し」によって起こる。累積淘汰と呼ばれるメカニズム。
累積淘汰は、「記憶システム」があれば機能する。
多くの思想家が自由市場のシステムを支持しているのは、それが生物学的進化をなぞったものだからだ。失敗が多いからこそうまくいくのだ。
どの分野でも試行錯誤の結果として発明やイノベーションが生まれ、それがのちに論理化、体系化されてきた。
いわゆるPDCAって生き物の進化と一緒なのか!!!という気づき。(計画はないって言ってるからPは除外か)高速PDCAをまわせ、っていうのはビジネス本でよくみるけど、この例えは目からウロコだった。そりゃあ「進化」するはずだわ。
自由市場のくだりも、これまで読んだ投資本ではいまいち腑に落ちなかったけど、私はこの説が今のところしっくりきています。
一発逆転より百発逆転
- 大きなゴールを小さく分解して、一つ一つ改善して積み重ねると大きく前進できる
- マージナルゲイン(小さな改善)というアプローチ
- 問題は小さく分解して検討する
- 反事実に関する情報が得られるレベルまで
- 壮大な戦略を立てるだけでは何の意味もない
- 成功するために細かいところにこだわる、小さな改善が積み重なると大きな飛躍につながるから
- 体系的にデータを取る、改善する
- 勘ではなく、検証する
これまで生きてきて、なんだかんだで「気持ち」や「運命」とか「勘」っていうのをめっちゃ大事に考えていて。(ストレングスファインダーも『運命思考』が入っていた)
だからこそ、データとか数字に対しての苦手意識はすごかったです。(スーパーの値段も覚えられない)
だけどそれとは別に、データを取ることの重要性がこのパートを読むと身にしみてくる…。F1のピットストップの時間短縮事例が出てて、コンマ1秒の差に対してのみんなの努力やコダワリがすごかった。
マージナルゲイン(小さな改善)については、もう少し色んな本を読んでみたい。
残された疑問:成長型マインドセットってどうしたら生まれるの?
本書を読んでいまいち情報が足りなかったのはここ。
- 知性も才能も努力によって伸びると考える
- 失敗は自分の力を伸ばす上でかかせないもの
- あらゆる判断を合理的に下す。なにかをあきらめる時も。
こういう風に考えられるようになる思考で、失敗から学べるようになる源泉とは理解したんだけど、どうしたらそういう思考になれるのかはイマイチ読み取れなかった…。子ども育てるのに、そこが知りたかったんだけどなぁ。
いろいろとこれからどういう風に振る舞えば良いのか、行動や考え方について知れたのは収穫だった。具体事例も多かったし。
じゃあこれからどうする
まずは、自分自身の仕事において、迷ったらまず人に相談してみて、そしてやってみる。ということを実践してみようと思います。
これまでは結構あたまの中だけで考えがちで、うーーーーんと悩んでいる間に1週間がすぎ2週間がすぎ…というのをやりがちだった。理由は単純で、「え、こんなこともわかんないの?」「自分の意見ってもんはないのかよ」と思われるのが嫌だったからです。
でも、まずそれでやってみようと思います。
自分自身がやってみて、子どもに「失敗しても大丈夫なんだぜ★」って言いたい。
子どもには、
- 「失敗しちゃっても大丈夫!」と伝え続ける。
- 大きい一歩を踏み出してダメだったら、小さく分解してみる。
- データを取る(どうやって…?子どもの様子を観察するとか?)
- 何かしらのフィードバックはかかさない(疲れてると投げやりになりがち)
とかかな。
もっか、帰宅後から寝るまでの時間短縮が課題なので今度はそれをテーマに考えてみたいと思います。
他にもオススメの本あったら教えてください!